トラウマインフォームドケアに関する尺度の日本語版

本研究チームが行ったトラウマインフォームドケア(TIC)に関する態度尺度(The Attitudes Related to Trauma-Informed Care [ARTIC-10] Scale)の日本語版の信頼性、妥当性の検証論文がJournal of Trauma Nursingより出版されました。

Reliability and Validity of the Japanese Version of the Attitudes Related to Trauma-Informed Care (ARTIC-10) Scale
https://doi.org/10.1097/JTN.0000000000000684

本研究では794名の医療従事者を対象に検証を行い、中程度の信頼性・妥当性を確認しました(Cronbach’s α= 0.56, Spearman’s rank=-0.12~0.30)。

医療や福祉サービスの現場でTICを導入することは、スタッフのウェルビーイングの向上やストレスの低下につながることが知られています。TICの実践の促進にはスタッフのTIC対する態度の変容が必要なため、態度を測定できる尺度としてThe Attitudes Related to Trauma-Informed Care Scale (The ARTIC Scale)が開発されました。

ARTIC-10は、トラウマインフォームドケアの態度評価の実施可能性を高めることを目的として開発されました。The ARTIC Scale には45項目版(ARTIC-45)、35項目版(ARTIC-35)、10項目版(ARTIC-10)の3種類の尺度がありますが、ARTIC-45とARTIC-35は回答に8-12分を要する一方、ARTIC-10は2-3分で回答でき、リソースや時間が限られている組織に使いやすい尺度です。英語版のARTIC-10ではARTIC-45、ARTIC-35と同程度の信頼性、妥当性が確認されています。1

ARTIC-10の日本語版尺度の使用を希望される場合は下記のサイトをご参照ください。

The ARTIC Scale (Traumatic Stress Institute)
The ARTIC Scale | Traumatic Stress Institute – Klingberg Family Centers

 

片岡真由美
(国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所公共精神健康医療研究部)


1. Baker, C.N., Brown, S.M., Wilcox, P.D. et al. Development and Psychometric Evaluation of the Attitudes Related to Trauma-Informed Care (ARTIC) Scale. School Mental Health 8, 61–76 (2016). https://doi.org/10.1007/s12310-015-9161-0
 

 

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