このホームページでも紹介させていただいている、精神科看護師を対象としたトラウマインフォームドケア(TIC)動画研修が、行動制限最小化に有効であるかどうかを検討した論文を出版しました。
TICは、行動制限最小化のためのコア戦略の基盤となる考え方の1つに含まれています。
今回の研究では、看護師がTIC動画研修を受けた介入群5病院(5,050エピソード)と、対照群5病院(4,830エピソード)で、隔離と身体拘束の時間を比較しました。
その結果、介入群では対照群と比べて、平均隔離時間については有意な減少が認められなかったものの、平均拘束時間については有意な減少が認められ、その効果は介入12か月後まで持続しました。
本研究の結果より、このホームページで紹介させていただいているTICの動画研修を病院単位で看護師が学ぶことによって、その病院の身体拘束の時間が短くなる可能性が示されました。
本研究の論文
Michi Miyake, Megumi Hazumi, Kentaro Usuda, Takahiro Kawashima, Maiko Fukasawa, Hisateru Tachimori, Daisuke Nishi, Effect of video-based trauma-informed care training for nursing staff on seclusion and restraint of psychiatric inpatients: A non-randomized controlled study, International Journal of Nursing Studies Advances, Volume 8, 2025, DOI: 10.1016/j.ijnsa.2025.100297
西大輔
東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野